(12) 腱板断裂と五十肩は何が違うの? [高槻 2022]

肩の代表的な疾患として「腱板断裂」と「肩関節周囲炎=五十肩」があります。これらの2つは症状は似ている部分もありますが、別の疾患と考えてください。その名の通り、腱板断裂は腱板という肩のインナーマッスルと言われている筋肉の腱が骨からはがれてしまう、つまり断裂した状態を言います。図のような状態になります。それに比べて、肩関節周囲炎は腱が断裂しているなどはなく、なんらかの原因で肩関節の周囲のどこかに炎症が生じてしまった状態を言います。

症状の違いでいうと、腱板断裂は腱板という肩のインナーマッスルが断裂してしまうため、力をうまく発揮することができなくなります。特に、インナーマッスルが活躍すると言われる胸の高さくらいまで腕をあげると痛みが出たりすることが多いです。胸の高さを通り過ぎると正常なアウターマッスルが力を発揮して痛みなく上まであげることが多いです。また、腱が切れてしまうことで力の伝達がうまくいかないことが原因ですので、反対の手を使うと痛みなく手が上まで上がることが多いです。

それに比べて肩関節周囲炎は肩の周囲に炎症が生じていることが原因で、筋肉や靭帯が硬くなってしまうことが疾患です。そのため、痛みは目の高さというよりかは、腕を上がるところまで上げきった最後で痛みが出るというのが特徴です。硬くなっていることが原因ですので、腱板断裂と違って、反対の手であげてあげても腕は上がりません。

症状の経過としては、腱板断裂は腱が切れていることが原因で、ほっておいても再生することはありません。したがって、高齢の場合を除くと手術となることがあります。それに比べて、五十肩は長い期間がかかりますが徐々に硬さは取れてくることが多いですので、保存療法で経過をみる場合が多いです。

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