【肩関節のつくり】

肩関節の「骨」の種類

肩関節は① 腕の骨(上腕骨)、② 肩甲骨、③鎖骨からできています。肩関節に影響を及ぼす骨としては、肋骨なども関係してくると言われています。

肩関節の「関節」の種類

骨同士がいくつかの関節(骨と骨のつながる部分)を作っています。具体的には①肩甲上腕関節、②肩甲胸郭関節、③肩鎖関節、④胸鎖関節などがあります。

肩を動かす際はこれらの関節が同時に動く必要がありどれも重要な関節となります(一般的に「肩関節」と表現される関節は肩甲上腕関節です)。

肩関節の「筋肉」の種類

インナーマッスル(腱板)

インナーマッスルとは比較的小さい筋肉で肩関節の安定性を司る筋肉と言われています。筋肉の名前でいうと棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋があり、これら4つの筋肉で「腱板」という名前がついています。
腱板は家で例えると基礎みたいなもので、インナーマッスルの力がしっかり出ていないと、どれだけアウターマッスルを鍛えても肩関節がグラグラしてしまい、不調の原因となります。インナーマッスルは重たいダンベルなども持って鍛えるものではなく、低負荷で鍛えて行くものであるため専門家の指導が必要になりやすい筋肉です。

アウターマッスル

アウターマッスルは比較的大きい筋肉で肩を前後左右に動かすような筋肉になります。インナーマッスルとのバランスが重要であると言われるため、アウターマッスルばかり鍛えることはあまりおすすめはできません。

当院のすすめ
肩関節はとても複雑な構造をしていますが、適切な対応さえ取れれば、不調が改善しやすいのも特徴です。これらの「肩関節の構造」を十分理解しています。肩関節の状態を具体的に説明しながらより専門的に施術致します。

【四十肩・五十肩について】 
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四十肩・五十肩とは??

五十肩は、肩の関節周辺に痛みや違和感が生じる疾患で、肩関節周辺の組織の炎症や変性が原因とされています。

具体的には、肩の関節包や腱板などが炎症を起こし、痛みや違和感、動かしにくさを引き起こすとされています。主に40歳から70歳の中年以降の人々に見られる疾患で、有病率は女性にやや多い傾向があります。

糖尿病患者や甲状腺機能低下症、パーキンソン病、心臓病、脳卒中の既往がある場合、五十肩に罹患するリスクが高くなるとされています。一般的に、五十肩は片側性が多く、初期の症状は肩の運動制限や痛みです。この痛みが続く期間は人によって異なりますが、1年以上の長期間に及ぶこともあります。

四十肩・五十肩の症状はどんなものがある?

四十肩・五十肩の一般的な症状は以下のようなものがあります。

  • 肩の痛みや違和感: 肩の関節周辺に痛みや違和感が生じ、特に腕を動かすと痛みが増すことがあります。炎症が強い場合などはじっとしていても痛くことがあります。
  • 睡眠障害: 夜間の痛みが激しくなるため、寝返りをうつことが困難になり、睡眠の質が低下することがあります。 夜間痛について詳しく知りたい方はこちらをクリック
  • 肩のこわばり:肩の関節周辺の筋肉や靭帯が硬くなることで肩の可動域が制限され、腕が真上まで上がらない状態になったりすることがあります。

四十肩・五十肩は自然に治るの?

五十肩は自然に治る場合がありますが、個人差があり自然治癒の割合に正確な数値はありません。もし自然治癒する場合でもその期間は1年(12ヶ月)~3年半(42ヶ月)くらいかかると言われており人によって幅があります(平均期間は2年半以上と言われています)。自然に治癒しない場合も多く、症状が強い場合は手術に至るケースもあります。適切な時期にストレッチや安静などの適切な対応ができることが症状の軽減や生活上の制限を改善するために推奨されます。

当院における五十肩の施術
五十肩には肩周辺の炎症が強く出る「炎症期」、炎症後肩周辺の筋肉や靱帯などの組織が硬化してしまう「拘縮期」、硬くなった組織が柔らかくなってくる「寛解期」と症状が経過していきます。皆様の症状がどの段階にあるかふまえて、適切なストレッチや生活指導を実施するように努めています。

【肩こりについて】

肩こりの原因は?

肩こりは女性の気になる症状の第1位です。肩こりの原因は肩や背中の周りに筋肉の緊張状態が続く事で、血行障害を招き、筋肉疲労を起こした状態です。この筋肉の緊張状態というのは筋肉が絶えず、働き続けていることをいいます。例えば悪い姿勢を長時間とっていると、どこかの筋肉がその状態よりもさらに体が傾かないようにずっとブレーキをかけ続けることになります。これによって筋肉が休まることがなく、緊張状態を緩和できないため、血行障害が生じると言われています。

肩こりの対処法(いかり肩タイプ)】

肩こりは血行状態の悪化によって筋肉が硬直した状態ですが、その原因となる筋肉は「僧帽筋上部」「肩甲挙筋」という部位が主だと言われています。どちらの筋肉も肩甲骨を上に持ち上げる仕事を持つ筋肉です。日常生活でふときづいた時に肩をすくめているといった経験はないでしょうか?この無意識に力を入れすぎてしまい、凝ってしまうのは「いかり肩」の典型的なタイプになります。このタイプの方は僧帽筋上部と肩甲挙筋をマッサージすると改善の即効性もあります。

いかり肩 肩こり

【肩こりの対処法(なで肩タイプ)】

なで肩の場合は、腕を支えるための筋肉である僧帽筋上部の筋力が低下してしまい、腕の重さで肩甲骨が下に下がった状態になります。肩甲骨を上に引き上げようと僧帽筋上部と肩甲挙筋という筋肉が弱いながらも頑張り続け凝ってしまいます。筋肉をマッサージしてしまうと、余計に肩甲骨が下に下がってしまうので、マッサージで症状が悪化することがあります。つまり、なで肩のタイプの肩こりでは筋肉を鍛えることが重要となります。