腱板断裂で知っておきたい基本事項

腱板断裂とは?

肩甲骨と腕の骨(上腕骨)を繋ぐ腱が切れてしまう状態のことを言います。肩の腱は4本(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)あり、4つとも腱板という表現をします。五十肩(肩関節周囲炎)と並んで、肩関節痛の原因となる代表疾患と言われています。この腱が切れることで、腕が上がりにくくなったり、夜間痛が出現したりします。

棘上筋という腱板の中でも最も断裂しやすい腱が切れている様子を示しています。

腱板断裂になりやすい人は?

50歳以上の中高年に多いとされています。転倒や打撲など外傷によるものもありますが、全体の8割は老化による自然経過で発症することが多い言われています。年齢に応じて断裂する頻度が高くなり、50歳代では10%程度、80歳代では35%程度が完全に腱が切れていたと報告されています。

腱板断裂ってどんな症状が出るの?

中途半端な角度が一番痛い

肩関節周囲炎が可動域最後で痛みが出るのに対して、腱板断裂は腕を挙げる途中(肘が胸の高さ付近)で痛みを出すことが特徴です。したがって、包丁や歯磨きなどの角度は痛みが出ること多いです。一方で肩が固まってしまうことは少なく、反対の手で持ち上げると痛みなく上まで上がることがあります。つまり「腕はあがるけど途中が痛い」ということが多いです。

<良くある臨床症状>
・反対の手で連れていったら、腕が上まで挙がる
・腕は上まで上がるけど途中で痛みが生じる
・腕を上げる時に「こりっ」かくっ」と音が鳴る
・腕を下ろす時に途中が痛い

痛みの場所

・肩の前の方(ズキズキうずくことが多い)
・肩の頂点(ズキズキすることが多い)
・肩の外側(重だるいような痛みが多い)
・肩の上腕から前腕まで(重だるいような痛みが多い)

夜間痛

腱板断裂では夜間痛が出現することが多いです。日中は大丈夫なのに夜間だけ痛いなどもあります。腕を下ろすと痛いため、特に上むきで寝れないという人が多いように思います。

日常生活動作

・何もしていなくてもズキズキする
・不意に痛みが走ることが多い
・歯磨きがしづらい
・包丁が扱いづらい
・後ろのものが取ると急な痛みが生じる
・後ろに手が回らない
・服の脱ぎ着が痛い

自然に治るの?

断裂している腱が再生することは、基本的にないと言われています。したがって、一度切れた腱は手術でもう一度くっつけるしか方法はありません。しかし、「無症候性の腱板断裂」と言って、腱板断裂を認める人でも、50歳代の約半数、80歳代の約2/3は痛みを感じていないという結果があります。つまり、腱板断裂=痛みではなく、手術をしなくても他の腱や筋肉を鍛えるなどのリハビリテーションや注射を行うことで、痛みが改善する可能性があります。腱板断裂の約70%はリハビリテーションや注射によって効果があると言われています。

腱板断裂の診断で使用される画像検査

一般的にはX線検査(レントゲン)、超音波エコー、MRI検査が用いられます。腱板はX線検査(レントゲン)では見ることができません。骨が凸凹になっていたり、骨の位置が上にずれていたりすることで腱板断裂を疑うことができます。しかし、小さな断裂などは発見しづらいため、確定診断には超音波エコーやMRI検査が行われます。超音波エコーでは一部、見えにくい部分があるため、より正確に見るためにMRI検査が実施されることが多いです。

腱板断裂の治療の流れは?

基本的にはまずは保存療法(投薬、注射、リハビリテーション)となります。7割程度の方に保存療法が有効であるとの報告があります。3〜5ヵ月程度保存療法をして改善がなければ手術が検討されることになります。 なお、手術後も半年程度のリハビリテーションが必要となることが多いです。年齢が若い場合や、外傷性の腱板断裂、目標とする動作のレベルが高い(スポーツなど)、痛みが強い場合などは、保存療法をせずに手術療法となることもあります。医師と十分に相談して決めることが重要です。

腱板断裂の手術療法とは?

一般的に用いられる手術方法は鏡視下腱板修復術とって、断裂した腱をもう一度つなぎあわせる手法があります。断裂が大きい場合は人工関節(リバース型人工肩関節置換術)などが用いられることもあります。

腱板断裂(保存療法)のリハビリテーションは?

炎症が強い場合は、注射や投薬などと併用して、日常生活での腕の使い方就寝方法の指導などできるだけ、肩に負担がかからないような方法を指導します。筋肉の硬さが出てしまっている場合にはストレッチなども実施していきます。肩関節の腱は4本(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)あり、一番高頻度の断裂するのが棘上筋です。何本が組み合わさって断裂があることもありますが、4本全てが断裂することはあまりありません。したがって、リハビリテーションの基本は残っている腱をきたえて、断裂している腱の機能を補うということが目標となります。そしてこれらの腱の力を最大限発揮するためには肩甲骨の機能が大切になります。

リハビリテーションの4つのポイント
リハビリテーションの一部例

終わりに

これらが腱板断裂について知っておきたい基本事項です。良かったら参考にしてください。

「腱板断裂で知っておきたい基本事項」肩専門コンディショニング整体 Arm+ 高槻

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